当院では、日本糖尿病療養指導士という糖尿病とその療養指導全般に関する正しい知識を持ち、医師の指示の元で患者さんに指導を行うことのできる資格を持った看護師と管理栄養士が在籍し、チーム医療を行っています。
そこで、糖尿病の話を交えながら患者さんとどのような関わりをしているかをお話ししたいと思います。
様々な理由で医師から糖尿病と診断され、今後の治療・方針の説明があります。
この説明を聞いた患者さんには、治療を受ける受けないを選択する意思決定があります。
そこで患者さん自身が治療を受ける意志を決定することで、糖尿病治療が開始されます。
「糖尿病」という病気については、今やテレビや雑誌用で多く特集されるようになり、糖尿病の怖さを世の人々が知る機会が多くなりました。
また、別名「サイレントキラー」と呼ばれほとんど症状なく身体の中で病状が進行する慢性疾患の一つでもあり、自覚症状が出た頃には病状が進行あるいは悪化していることがあります。
もし転んで足に傷を負って血が出た、腕にやけどして赤くなって痛い、結膜炎で目が痛い、蚊に刺されて強いかゆみで眠れない、といった自身の目で負傷箇所を認識しそれに伴う痛みやかゆみの感覚があると一所懸命治療に専念し効果を期待します。しかし糖尿病はその自覚症状がほぼないままに病状が進行するため、いくら糖尿病と診断されて内服薬が開始されてとしても傷が治っていくような目に見える過程がないために、本当に自分は糖尿病でこの薬が効いているのか?薬は飲まなくても大丈夫ではないか?と気持ちが揺らぎ自身の判断で中断する方もいます。
つまり、継続して糖尿病治療へ向き合うことが重要となります。
糖尿病を発症しても、血糖値、HbA1c、血圧、血中脂質、肥満度数の指標を正常に近づけるよう努力することによって、合併症の発症や進展の危機を減らすことができます。
病気を知ることは食事療法や運動療法、薬物療法、足の観察や歯の健診を受ける意味が理解でき、合併症の早期発見につながります。
私たち医療スタッフは、日々自己研鑽し患者さんに糖尿病の正しい知識をお伝えし、患者さんがきちんと理解して自己管理ができるよう指導する役割があります。
当院では医師の指示のもと糖尿病と診断された初診の方や治療中の自己管理の支援が必要である患者さんには、診察前に看護師と会って日常で困っていることや、低血糖の有無等の様々なお話を伺いながら足の観察をし、合併症の早期発見にも務めています。
患者さんにはそれぞれの生活があります。その生活状況を踏まえた上での問題点を捉えていき、最も無理のない最適な解決策を患者さんと一緒に考え提案し、実践していただきます。
行動を起こすことや考えることは簡単ではありません。できそうなことから始めてみる。できたら次の行動へ移る。できなかったらできない原因から学び得た解決策を考えて次の行動を起こしてみる。結果はよかったのか悪かったのかを患者さんと振り返り評価し継続した生活を送る。この過程がとても大切だと日々感じています。
ご自身の健康管理はご自身にしかできません。日頃の健康管理が大切です。
タイミングがあれば年に一度の健康診断や人間ドックを受けられ、結果表の指示に従うことをおすすめします。