まずは食べたものがどうやって身体中に届けられるかの基本的な流れについてのお話です。

食べ物は栄養素という小さい部品を組み立てできています。 食べたものは胃から小腸に届くまでの間に消化され、部品に戻ります。

その後栄養素は腸の壁から吸収されて血液に入り、肝臓に届きます。 肝臓は血液から栄養素を受け取り、栄養の貯蓄や加工を行います。

肝臓から必要な栄養素が必要な量だけ血液中に放出されて全身に送られます。

では続いて、血糖値に絞ってこの流れをみていきます。 血糖値はブドウ糖の量です。ブドウ糖も栄養素の一つで、食べたものから消化されると血液に乗り肝臓に行き、ほとんどがそこで貯蔵されます。

肝臓に貯蔵されなかったブドウ糖は全身を周り、食後の血糖値をあげますが、その後全身を周る間にエネルギーとして消費されたり、筋肉や脂肪に貯蔵されることで徐々に元の血糖値まで戻ります。 この血糖値の動きをグラフにすると下のようになります。

これに対し、糖尿病の人のグラフは下のようになります。 血糖値がより高く上がったり、下がるまで時間がかかったり、下がりきらなかったりすることがわかります。 それではこのときの糖の動きをみていきましょう。

実は、肝臓や筋肉、脂肪で血液から糖分が抜き取られるのは、全自動で起きているわけではないのです。 腸から吸い取られた糖分が肝臓に行くとき、途中からあるものが一緒に入ってきます。 それがインスリンで、それを作っているのが膵臓です。

インスリンが糖分と一緒に肝臓では肝臓の細胞に、筋肉では筋肉の細胞に、脂肪では脂肪の細胞へ行くから、それぞれの細胞の扉が開いて糖が血液から移動します。これが血糖値が低下する仕組みです。

では、糖尿病の人ではこのインスリンが少ないから血糖が下がらないのか? もちろんインスリンの量はとても大切です。しかし、もう一つ、「インスリンが出ていても血糖が下がりにくい」という状況があるのです。 この状態を「インスリン抵抗性」と言います。インスリンが届いても、肝臓、筋肉、脂肪で血液から糖を取り込む力が落ちることです。具体的なイメージとしては、取り込み口の扉が消えてしまう、扉はあるけど開けるのに多くのインスリンが必要、といったものです。

つまり糖尿病は、「インスリンの量」と「インスリン抵抗性」などが複雑に影響しあった結果、血糖値が上がり、下がりにくくなる状態のことなのです。 これらの要素により、糖尿病は下のように分けられます。

このようなインスリンを作る力やインスリン抵抗性の有無は検査でわかります。 さて、次はこのような血糖の高い状態がなぜ問題になり、なぜ糖尿病は治療や定期的な検査が必要なのかをみて行きましょう。